2024年2月22日号
仙北市 市民の幸福度向上へ
一般会計当初予算案は206億2400万円

photo  仙北市は19日、「人口減少」や「少子高齢化」等の課題に立ちむかい、「幸福度全国bP」の達成にむけ歩みを加速させることに重点を置いた2024年度一般会計当初予算案を発表した。総額は206億2400万円で前年度と比較し3億6300万円、率にして1・8lの増となった。
 歳入のうち地方交付税は84億3000万円で23年度より5000万円の減、市税は26億5603万1千円で4767万円の増。歳出は人件費35億1392万8千円、扶助費22億419万5千円など。
 一般会計に特別会計と企業会計を合わせた予算総額は370億568万6千円で前年度と比較して6億4156万1千円、率にして1・7l減。
 重点施策として配分した予算は「消防体制の充実・防犯体制の強化」のうち防災行政無線維持管理費に1億2276万2千円、「移住定住の促進」のうちインターナショナルスクール誘致事業費に2892万9千円、移住体験推進事業費に905万2千円、「医療体制の充実」のうち仙北ウェルビーイング地域医療・総合診療連携講座開設事業費に900万円、医療MaaS管理運営事業費に952万5千円、「保健活動・健康づくりの推進」のうちMRI検診補助金に173万円、「子育て支援・保育の充実」のうちすこやか子育て保育料助成事業費に3724万4千円、「交流人口の拡大と特色ある観光」のうちリトリート推進事業に104万1千円、グリーンツーリズム推進事業費に165万6千円、「魅力ある農業の振興」のうち夢ある園芸産地創造事業費補助金に2839万2千円、「農業現場を支える人材の確保」のうち新規就農総合支援事業費補助金に1650万円、「防災体制の充実(水害対策等)」のうち排水対策事業費に1070万円となっている。
 田口市長はこの日の記者懇談会で「仙北市の幸福度を向上させるために様々な予算配分をした。まもなくスタートする令和6年度は仙北市にとって大変重要な年度となる。厳しい課題に向き合いつつ、わくわくする明るい未来に向けた両輪の予算を組んだ」と述べた。
 仙北市の今後の存続については「非常な危機感を持っている。今のペースでいくと人口は毎年2・8%減、2030年には1万8千人を切るという人口推計も現実的な数字として出ている。今後の仙北市のあるべき姿を描く意味で、子育て支援や出生率の増加に対し、市として真摯に向き合う必要がある。同時に医療MaaS等、医療関係のデジタル化を進め、市民の皆さんに安心して暮らしていただくための優良な医療提供を目指す。全ては市民の幸福度向上に尽きる。課題も希望もある中、前に進んでいくための予算」と話した。
 主な事業は次の通り。
 ▽防災行政無線維持管理費=現在使用している防災無線設備の維持管理を行いつつ、スマートフォンやタブレット端末などのマルチデバイスのほか、個別受信機に対応した新システムの導入・構築を行う。1億2276万2千円。
 ▽行政DX推進事業費=SNSを活用した市民向けの情報発信や各種アンケート調査、RPAを利用した業務の効率化を行う。またノーコードツールを導入し、災害やイベント時に使用できるアプリを開発。さらなる業務効率化を目指す。174万9千円。
 ▽インターナショナルスクール誘致事業費=国家戦略特区の優位性や豊富な観光資源、首都圏からのアクセスの良さ等の強みを生かしてインターナショナルスクールの誘致に取組み、外国人子女等の定住人口や外国人の交流人口の増加、教育産業等の新たな産業の育成による雇用機会の創出、地域の魅力度向上を目指す。2892万9千円。
 ▽移住体験推進事業費=移住希望者向けに新たに移住体験事業を展開し、仙北市に住み生きていく具体的なイメージの醸成を通じて、より多くの人がより幸福な移住を実現できるよう努める。移住体験ツアーの企画・実施、移住体験住宅の整備・運営等を行う。905万2千円。
 ▽仙北ウェルビーイング地域医療・総合診療連携講座開設事業費=秋田大学医学部と仙北市が共同で寄附講座を設置。仙北市医療DX事業の共同研究のほか、市立角館総合病院を研究フィールドとして秋田大学から指導医を派遣し、総合診療医の育成や診療などを行うことにより、地域医療人材の確保を推進する。900万円。
 ▽MRI検診補助金=乳がんの早期発見・早期治療を促進するため、秋田大学医学部卒の医師が考案した「無痛MRI乳がん検診」に係る検診費用に対し、1件につき1万1000円を助成する。173万円。
 ▽就学前教育・保育施設主食費無償化事業費=育児に係る保護者の負担軽減のため、3歳以上児への主食(米飯)の無償提供を行う。192万9千円。
 ▽すこやか子育て保育料助成事業費=私立の認定こども園、認可保育所、幼稚園、認可外保育所、地域型保育事業の利用者に対して保育料・副食費を助成。令和6年度より0〜2歳児への助成を拡充し、全ての階層の保育料・副食費を実質的に無償化する。3724万4千円。
 ▽リトリート推進事業=国内外から芸術作品、音楽活動等をはじめとする独自の感性を持っている人を招聘し、滞在中の活動を支援。アーティスト・イン・レジデンスの仙北市版の実施を通してリトリートの推進を図る。104万1千円。
 ▽グリーンツーリズム推進事業費=農家民宿・農家レストランおよびアウトドアを含む農山村地域への誘客活動と農家民宿の多言語パンフレットの増刷を行い、滞在時間の増加を目指す。165万6千円。
 ▽夢ある園芸産地創造事業費補助金=米依存からの脱却にむけた戦略作物(園芸品目)の産地化と収益性の高い農業経営の確立を目指し、認定農業者等が必要とする施設・機械・資材などの導入経費の一部を助成。2839万2千円。
 ▽新規就農総合支援事業費補助金=次世代の担い手の就農意欲の喚起と就農後の定着・発展を支援。将来の地域農業の優れた担い手を育成する。1650万円。
 ▽排水対策事業費=豪雨災害による越水被害を防止するため、排水路の整備を行う。1070万円。
 ▽角館小学校・白岩小学校統合関係事業費=令和7年3月をもって白岩小学校が閉校することに伴い、閉校関連行事を行う。地域住民主体で記念事業を計画し、令和6年11月に実施予定。149万7千円。


※写真は
あいさつする田口市長


詳しくは2024年2月22日(木)号をご覧下さい。
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