2025年8月28日号 |
花火師28人が頂点目指す
第97回全国花火競技大会「大曲の花火」
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第97回全国花火競技大会「大曲の花火」が30日、大仙市の大曲花火大橋下流の雄物川河畔で開催される。仙北新報社(現・秋田民報社)の主催で明治43年に「奥羽六県煙火共進会」として始まり、戦時中に一時中断などがあったものの、花火師と地元の人々の情熱、郷土愛、そして花火を愛してやまない全国から集まる観客に支えられ、今年で115周年を迎える。
質・規模、そして花火を打ち上げる環境から日本一≠フ折り紙付の「大曲の花火」。内閣総理大臣賞をはじめ、経済産業大臣賞、中小企業長官賞、文部科学大臣賞などが贈られ花火師自らが会場に乗り込み、名誉をかけ花火を打ち上げる大会としても有名だ。
小松煙火工業、北日本花火興業、和火屋、響屋大曲煙火の地元4社を含む全国から28社が出場する。選び抜かれた一流花火師が創意工夫を凝らした色とりどりの花火で競い合う。
姫神山を背景に地響きのような「音」と燦然と夜空に輝く「光」の競演は、広大な河川敷を埋め尽くす観客の心を掴んで離さない。過去にはベルリンやハンガリーなど海外でも打ち上げを行い、世界的にも名を轟かせた。2024年にはモントリオール国際花火競技大会に出場し銅賞を受賞している。
毎年「これぞ大曲の花火!」と地元のみならず、全国から訪れる観客を魅了してやまない大会提供花火。今年のテーマは「交響詩フィンランディア」(午後8時50分頃、打ち上げ予定)。独立運動を象徴する曲で、苦難、闘争、勝利、愛国心、輝く未来の各テーマを花火で表現し、希望や平和の祈りを夜空に描き出す。最大幅900bで、約5分30秒の間に約2200発を打ち上げる。
実行委員会の小松忠信副委員長は「最終的には花火で平和を導き出そうという願いを込めての打ち上げ。平和の象徴たる白、ここに未来に皆さんが思い描く希望を当て込んでいきたい」としている。
競技は夜の光の代わりに色煙を駆使して色彩豊かに空に模様を描き出す煙竜や煙菊で競う「昼花火の部」(午後5時10分)、芯入割物で三重芯以上とする伝統花火の10号玉「芯入割物の部」、同部と重複しない自由創造的な花火の「自由玉の部」、それに色彩やリズム、立体感、構成など複合的な観点から創造性、独自性が審査される「創造花火の部」による「夜花火の部」(同6時50分)で行う。
競技の合間には特別プログラムとして前回大会の第96回大会で内閣総理大臣賞を受賞した地元の小松煙火工業が「大地の鼓動」と題して打ち上げる。
また、オープニングでは恒例のナイアガラ付スペシャルスターマイン、競技の合間には大玉連発付スペシャルスターマインなどを打ち上げる。
※写真は
2024年のオープニング花火
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