2025年9月4日号 |
18台が巡行
7日から「角館のお祭り」
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勇壮な「やまぶっつけ」で知られる角館祭りのやま行事「角館のお祭り」が7日から9日までの3日間、仙北市角館町で開催される。全18丁内の曳山が巡行し、地域の繁栄や豊作、無病息災を祈願する。
江戸時代の町割りと武家屋敷が残る地で今も引き継がれる同祭り。武者人形や歌舞伎人形が飾られた大型の山を、18丁内の若者たちが力強く曳き回す姿は毎年多くの観客を魅了する。1991年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」にも登録された。
総重量8dにもおよぶ曳山は、ナラの堅木を組み上げたもの。中心に神を迎える山「もっこ」を据え、「みんじゃ」と呼ばれる神の水飲み場に歌舞伎仕立ての武者人形が鎮座する。
曳山には、小太鼓や横笛、三味線などで構成される囃子方と踊り子が同乗。囃子方は山の動きを知らせる「寄せ囃子」や、目的地へ向かう「上り山囃子」などをかなで、踊り子は様々な手踊りで観客を魅了する。
この祭りの特徴は、曳き回す山の道筋が決まっていないこと。曳山には、参拝や上覧に向かう「上り山」と、それらを終えた「下り山」とがあり、城下町の狭い道路で山同士が鉢合わせした場合、上り山が通行優先権を得るのが決まりとなっている。
しかし鉢合わせたのが同じ山同士の場合は立場が対等となり、黄色いタスキをかけた交渉員が通行優先権を巡って話し合いを行う。
交渉が決裂すると、「やまぶっつけ」と呼ばれる曳山同士のぶつけ合いへ。曳山の上の若者が笛を鳴らし、提灯を振って合図を出すと、双方の若者たちが渾身の力で曳山を押し出し、喚声を上げながら豪快に山をぶつけて雌雄を決する。
7日午後4時、のろし花火を合図に神明社への参拝がスタート。18丁内の曳山がまち南側の神明社に向かい一斉に動き始める。
8日午前10時からは、各丁内の曳山が佐竹北家に上覧を仰ぎ、その年の山の出来ばえや手踊りなどを佐竹北家当主に披露。同夕刻からは薬師堂への参拝が行われるほか、旧角館庁舎跡地前や秋田銀行前など計8カ所で「観光やまぶっつけ」が実施される。
9日夜は、いよいよ本番の「やまぶっつけ」。熱気あふれる光景が見る人の胸に永遠の瞬間を刻む。
※写真は24年写す。
※写真は
勇壮な山ぶっつけ
佐竹北家へ上覧に向かう曳山
優先権を主張する交渉員
踊りを披露
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