| 2025年12月11日号 |
自分も相手も大切に
大仙こころほっとセミナー
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「中高年になると、相手を思いやる大切さは分かっていても行動が伴わなくなる」―そんな言葉にドキリとしたら、それが学び直しのチャンスかもしれない。大仙市こころの健康公開講座「こころほっとセミナー」が2日、大仙市大曲通町の健康福祉会館で開かれた。市民14人が参加。自他を尊重するコミュニケーションについて理解を深めた。
講師を務めたのは、あきたAT研究会の橋静子会長。2012年の秋田市アサーティブファシリテーター養成講座修了生で立ち上げた同会で、自分も相手も大切にするアサーティブなコミュニケーションを伝える活動を続けている。
「コミュニケーションの始まりはあいさつから」と橋さん。あいさつの「あ」は明るく、「い」はいつも、「さ」きに、「つ」づけることが大切だと語った。
人間関係の基本は思いやりだが、中高年世代には責任や成果主義にとらわれるうち、行動が伴わなくなりがちだという。相手の気持ちになって考える共感能力を高めるには「相手を好きになればいい」と提案。他人をけなさないよう心がけると周囲との信頼関係が築かれていく、と説明した。
参加者は3グループに分かれ、自他の認識の違いを確認するワークや、15秒という短い時間を意識しながら自分の好きなものを語る課題に挑戦。人気キャラクター3者を使って攻撃的・非主張的・アサーティブな自己表現スタイルの違いを学ぶ場面では、「私は攻撃的だな」と小声で呟く声も聞かれた。
心の中には、うれしい、悲しい、面白くないなど、さまざまな感情が渦巻くのが自然。その感情にふたをしないでほしい、と橋さんは訴える。「大事なことは、感情をそのまま相手にぶつけないこと。相手を否定せず、事実だけを冷静に伝える。相手が全てを理解してくれることはないが、穏やかな気持ちで素直に自分の思ったことを伝えられるようになると、とても良い。そういう仲間を増やしていくことが大切」と力を込めた。
参加した平田美樹子さんは「子どもや両親とのコミュニケーションに役立てたいと参加した。相手のことを考えて話すという言葉が心に刺さった。できることから早速やってみたい」と笑顔で語った。
仕事上、自分をあまり出さずに相手の話を聞くよう長年努めてきたという佐藤昌子さんは「年を重ねるうちに自由になって、この頃は素直に自分の気持ちを出すと相手もよくわかってくれると実感している。相手の話をさらによく聞けるよう、もうちょっとがんばってみたい」と頷いた。
※写真は
グループワークに取り組む
講師の橋さん
相手の話によく耳を傾ける
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